「モーニングページ」に出会うまで
「社会人になってから、自分のやりたいことが分からなくなった…」
そんな人は少なくないのではないでしょうか。
私もその一人でした。
これまで色んな職場を体験してきましたが、どこに行ってもしっくりきませんでした。
仕事が楽しくて充実していた時期もありましたが、心のどこかでは
「ここは本当の自分の居場所じゃないな」と思いながら過ごしていました。
その時は何故そんな気持ちになっているのか、自分でも分かりませんでした。
そして、その楽しかったはずの職場でパワハラに遭って退職したとき、
「私はどこにも居場所が無い」「これから先もどこに行ったらよいのか分からない」
と脳内で路頭に迷いました。
どうにか突破口を見つけたくて、図書館に行っては自己啓発書を読み漁りました。
といっても、私は元々活字が得意ではないので、月に数冊程度でしたが。
だいたい書かれている内容はどの本も大差ありませんでした。
結論から言うと「自分に正直に生きよう」だとか「他人の目を気にするな」だとか、そんな類の内容です。
もちろんそれは真理かと思いますが、それだけではザックリしすぎていて、
「じゃあどうすればいいの?」って感じなのですね。
”正直に”って言われても、ずっと本心を隠して生きてきた人にはそれが難しい。
自分は本当は何を望んでいるのか?
自分より他人をつい優先してしまったり、反感を買うのを恐れたりしてやり過ごしてきてしまった人はどうしたらよいのか。
「モーニングページ」で、自分の声なき声を聴いてみましょう。
モーニングページとは何か
モーニングページとは、書籍「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」で著者のジュリア・キャメロン氏がおすすめしているツールです。
ずっとやりたかったことを、やりなさい。新版 [ ジュリア・キャメロン ] 価格:1,430円 |
毎朝、なるべく起きたらすぐ、思いついたことや今考えていることなど何でもいいのでノートに3ページ書き記すものです。
これを毎日続けると、自分の”創造性の回復”が出来るというのです。
実際に私も一年以上続けてみました。
結果、自分のやりたいことや、やりたかったけど蓋をしていたこと、これから目指したいことが明白になったと感じています。
モーニングページを続けると・・・
- 自分のやりたかったことが何なのか気づける
- やりたかったことに取り組むことが出来るようになる
- 自分でも忘れていた夢を実現できる
というわけです。
モーニングページで実感した効果
先述した通り、自分のやりたいこと、やりたかったけど蓋をしていたこと、これから目指したいことが明白になりました。
職場の人間関係に悩んで八方塞がりになっていた頃と今とでは、頭の中の解像度が全然違います。
具体的にどんな気づきがあったのか、何がどう変わったのかの体験談をお話しします。
ずっとやりたかったことに気づけた
まずはモーニングページを続けないことには始まらないので、私は少し早起きしてカフェで書くことを日課にしました。
最初は、全く何を書いたらいいのやら状態で、3ページどころか、1ページも書くことが出来ませんでした。
ですが、一週間ほど続けていくうちに、頭の中に色んなことが浮かび上がるようになりました。
文字を書く手のスピードが頭の中の言葉を追い切れず、ミミズのような字になりました。
もはや字を書いてすらおらず、フニャフニャな線だけを書きながら思考している状態です。
「自分の中にこんなにたくさんの思いがあったのか…!」と驚きました。
そして毎日書いていく中で、あることに気づき始めました。
自分のモーニングページには特定のキーワードばかりが出てくるのです。
思い当たる節はあるので、自分の過去を洗いなおしてみました。
やりたかったことは何だったか?自分の過去を振り返る
私は子供の頃、物心ついたときから絵を描くことが好きでした。
まだ4歳か5歳くらいでしょうか、漠然と「自分は大人になったら絵を描く仕事に就くのだな」と思っていました。
自分で言うのは気が引けますが、同学年の中では絵が上手な方でした。
流石に物凄くズバ抜けているというわけではなく、あらあら上手だねぇ~ってレベルです。
子供の頃の私は、周りよりも身体的な成長が遅かったため、人よりできないことが多かったのですが、絵を描くことだけはよくできました。
そんなこともあってか、絵を描くことが好きだし得意だし、きっとそういう仕事をしていくのだろうと思っていました。
しかし、中学生くらいになってからあまり絵を描かなくなってしまいました。
この頃、家庭でもいろいろあったのであまり記憶がありませんが、家庭環境ではなく学校の環境が原因だったように思います。
学校ってみんなと同じことが出来ないとアレなやつじゃないですか。
色々なことを同級生と比較してしまい、劣等感を持ってしまって、自分に自信が無くなっていたように思います。
だんだん「自分よりうまい人はたくさんいる」とか、「そもそも絵が描けたところで(このレベルでは)大したことではない」とか、なんだかしょげた発想を持つようになっていきました。
・・・・・・
高校に上がった時、家にPCが出現しました。
私はPCに夢中になりました。
「お絵かき掲示板」という自分史上最強の楽しいツールを見つけたからです。
会ったこともない人たちのイラストがたくさん見れますし、自分の描きたてホヤホヤの作品も大勢に見てもらえるのです。
こんなに楽しいことがあるでしょうか?
当時高校生だった私は再び絵を描き始めました。
あるサイトで、投稿した作品を同人ゲーム内の登場キャラクターとして使ってくれるというイベントがありました。
私は採用されたくて、日々新しいキャラクターを描きまくりました。
「上半身アップよりも全身絵の方が採用されやすい」とか、
「主線はくっきりしていた方がゲーム映えする」、
「光と影を描いた方がコメントがもらえる」など、
あれこれ考えながらたくさん描いては投稿していました。
そのサイトでは、不定期で採用作品の発表がされていました。
ある日、私の作品が大量に採用されました。
私はモニタの前で固まりました。頭の中が真っ白とでもいいましょうか。
物凄く嬉しいのですが、夢のような事実に思考が停止してしまいました。
とにかく言葉では言い表せないほど嬉しかったのです。
そんな経験もしましたが、私は大学も絵とは関係のない学科に行きましたし、サークルも美術系には入りませんでした。
私は、絵を描くことが好きですが、誰かに採点されることを恐れていたと思います。
だから、美術科も絵の仕事も選べなかったのでした。
やりたいことをやったら良いことが起こった!
さて、モーニングページを通して、私はやっぱり絵が描きたいのだと気づきました。
それから少しずつ絵を描くようにしました。
最初はどうしても最後まで描き上げることが難しく、中途半端な作品しか増えませんでした。
どうしたら完成まで持っていけるか考えたところ、「イベントに参加する」ことが良いのではと思いつきました。
SNSでハッシュタグをつけるだけの自由参加型イベントに挑戦しました。
積極的に参加していくことで、作品を投稿する勇気が少しずつついていきました。
人目に晒すことに慣れたという感じですね。
そんな中、SNSで開催されたとある小さなイラストコンテストに参加することにしました。
最優秀賞、優秀賞、佳作は賞金が貰えるというものでした。
私は迷わず参加しました。
きっとモーニングページを始める前の私だったら、「どうせ参加しても無駄だ」と参加しなかったと思います。
このコンテストの結果ですが、なんと私は優秀賞を受賞しました。
一歩踏み出して行動することで成功体験を手に入れることが出来るのだと実感しました。
まとめ:したいことが分からないならモーニングページをやってみよう
以上、体験談をブワーっと書き連ねてまいりましたが、モーニングページ、本当におすすめです。
HSPの方や内向的な方、控えめな方は私のようについつい周りに合わせがちで、自分の本当の気持ちを疎かにしてしまいがちなのではと思います。
そして、そんな日々を続けていくと自分の本音が分からなくなってしまいます。
もし、今の自分が何をしたいのか分からないのであれば、モーニングページをとりあえず1か月は続けてみると何か見えてくるかもしれません。
モーニングページについて補足:ルールはそこまで気にしなくてOK!
ちなみに、モーニングページは
・朝、目が覚めたら一番最初に行う
・ノートに3ページ書き綴る
といった基本ルールがあるものの、必ずしも守らなければならない訳ではないと私は思っています。
私の場合、
・職場の最寄り駅にあるカフェで書き始める
・ノートに5行程度しか書かない日もある
といった具合で続けています。
大事なのはとりあえず思ったこと、感じたことを書いてみることです。
なので、自分のペースで自由に続けていけばいいのです。
是非、気軽な気持ちで始めてみてくださいな。